孤独死はなぜ起こるのか? 社会のニーズから誕生した、遺品整理という業種

「核家族」ということばが一般的になって、ずいぶん経ちます。

そんな中、高齢化社会も相まって、近年増加傾向にあるのが、「孤独死」です。

孤独死は社会問題化しており、その現場では、遺された荷物の片付けの負担が、遺族や家主にのしかかる事態になっています。

そうした社会のニーズから生まれたのが、遺品整理業者なのです。

 

1.増える単身世帯

 

核家族とは、夫婦とその未婚の子どもの家族や、夫婦のみ、あるいは単身世帯を指します。

その中でも、特に増加傾向にあるのが単身世帯です。

一昔前までは、単身世帯で最も多かったのが、若く未婚なので一人暮らしをしている、というケースでした。

しかし、少子化がすすむ現在では、若者の単身世帯は減少傾向です。

代わって増えているのが、子どもが独立したり、配偶者と離婚や死別するなど様々な理由で一人暮らしになった、高齢の単身世帯です。

 

高齢の単身世帯で心配なのが、地域とのつながりが薄れてしまうことでしょう。

プライバシーや防犯に配慮するあまり、昔のような”密”な近所付き合いは珍しくなりました。

若者の単身世帯であれば、仕事をするなどで社会とのつながりを保てますが、定年退職して何年も経ち、足腰が弱るなどして外出が難しくなった高齢者の場合は、そうはいきません。

地域とのつながりが希薄化し、誰にも知られずにいつの間にか亡くなってしまう、孤独死という哀しい結末を迎えてしまうケースが増えているのです。

 

2.孤独死のケースの遺品整理

 

一人暮らしの方が自宅で孤独死してしまった場合、現場を片付けるのは、法的には親族など「相続人」が行うことと義務付けられています。

それは、住まいに遺されたものは故人の所有財産なので、他人が勝手に処分することはできず、相続人が相続を行うために片付けることになっているためです。

ただ、故人に身寄りが一人もいなかったり、見つからなかったりすることも多く、その場合は親しい間柄だった人が遺品整理などの片付けをすることが多いようです。

 

特に、故人の住まいが賃貸だった場合、期日までにすべての荷物を引き払う必要があります。

しかし、故人が天涯孤独だったり、親類が遠方に住んでいる、あるいは故人との縁が希薄などの理由で遺品整理をしてもらえそうにない場合、家主が行うことになってしまうでしょう。

故人がきれい好きで、家具などの荷物が少ないというケースなら良いのですが、「捨てられない」性格で、なんでも溜め込んでしまうタイプだった場合、部屋は膨大な荷物で埋め尽くされていることが多く、片付けは困難を極めます。

そんな時は、遺品整理専門業者に依頼すると短期間で効率的に片付けてくれますので、利用を検討してみてください。

 

3.孤独死のケースによっては、特殊清掃が必要なことも

孤独死には、様々なケースがあります。

ふだんから親族とよく連絡を取り合っていたり、仕事に就いていたという方が孤独死した場合は、発見までそう長くはかからないでしょう。

しかし、自宅に引きこもって暮らしていた方が孤独死した場合、長い間気付かれないこともあります。

この場合、臭いや、虫の大量発生などで死亡していることに気付くケースが多いのですが、死後から発見まである程度日数が経っていると、現場の状態はかなり大変なことになってしまっています。

たとえば、故人が横たわっていた布団には、体液や血液が染みついていますし、それが布団の下のマットレスや床板、畳などまで浸食してしまっていることもあります。

吐血などで壁にも飛び散っていることもよくあり、それらの臭いも相当なもの。

すでに虫やネズミなどが大量に集まってしまっていることもあり、そうなると部屋中に動物由来のウィルスや病原菌が蔓延している可能性が出てくるので、個人での片づけや清掃は相当な注意を払う必要があるでしょう。

たとえば、ハエやウジ虫などは腸管出血性大腸菌を媒介します。

ネズミはサルモネラ菌、ダニ類などはクリミアや出血熱、脳炎などの感染症を引き起こす可能性があるのです。

また、清掃や消毒のために窓を開け放ってしまうと、臭いや虫などで近隣住民からクレームが出る可能性もあります。

こうしたケースでは、「特殊清掃」を得意とする専門業者に対応を依頼したほうがよいでしょう。

特殊清掃業者は、真夏でも窓を閉め切ったまま、清掃や消毒、遺品の片付受けまでしてくれるので安心です。

 

まとめ

 

核家族化がすすみ、孤独死するケースが増えています。

孤独死のケースでの遺品整理は、法的には相続人が行うこととなっていますが、相続人が見つからない場合は近しい方が行うことになるでしょう。

その場合は、短期間で効率的に片付けてくれる専門業者に依頼すると便利です。

また、孤独死のケースでは、部屋の消毒や消臭、遺品整理まで行ってくれる特殊清掃業者に依頼するのがおすすめです。